『群雄割拠編7 ~絶世の美女貂蝉~』
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『絶世の美女貂蝉』

【絶世の美女は生贄?】

今回は、英雄顔負けの活躍をした絶世の美女の話です。

三国志の中でも最強の猛将呂布という男がいます。
強欲な権力者董卓の義理の息子となっていた人物です。
武勇の誉れ高い呂布が護衛についているのですから、董卓を暗殺しようとしても暗殺することが出来ません。
そこで王允は、計略を考えます。

王允の計略とはこうです。
貂蝉を間にはさんで、董卓と呂布をひとつの環にして結んで反目(仲たがい)させる。
最初に呂布を屋敷に招いて、呂布を貂蝉の虜にさせておいて、貂蝉を嫁にくれてやると約束する。
その後に、董卓に貂蝉を逢わせ、貂蝉を欲しがるようにして、董卓と呂布を恋敵にして、仲を引き裂く作戦です。もちろん、一目で董卓が貂蝉を気に入ることを目論んでのことです。
(それほど、貂蝉は美女だということですね!)

呂布の恋心と董卓の欲望を利用しようというのです。
これを『美女連環の計』といいます。

破廉恥な計略といえば、そうかもしれません。
獣を倒すための犠牲として貂蝉を差し出したのです。
ちなみにこの時の貂蝉は16歳と言われています。

【現代にもあるハニートラップ】

『美女連環の計』を現代的な言い方をすれば『ハニートラップ』です。
このハニートラップは現代の政治の世界でもあるのです。
前宮崎県知事の東国原英夫氏が以前テレビ番組に出演したときに、このことを話されていて、ご自身で二度ほどハニートラップだと思われることがあったそうです。
(引っかかっちゃだめだぞ~)

また、探偵社には依頼者の配偶者や恋人の浮気を止めさせるために、別の異性を近づかせて恋愛感情を持たせて本来の浮気相手と別れさせる作戦があるようです。もちろん、これもハニートラップで、浮気相手の役をするのは探偵社の女性探偵です。
ハニートラップとは人類が存在する限り、用いられるものなのかもしれません。

【公私混同は身を亡ぼす】

貂蝉を自分のものにするために、董卓は後宮に入れようと提案します。
後宮に入れるとは、天子の妃にするという意味です。
しかし、天子の妃にするというのは貂蝉を手に入れるための名目で、実際は自分の愛人にしてしまうということです。
つまり、王允の計略は、董卓が愛する貂蝉を呂布から奪ったように思わせ、二人の関係を切り裂くものです。

ところが、董卓の参謀をしている李儒という人物が「女ごときに呂布ほどの大将軍を失う気なのか?」と苦言を呈します。
董卓は迷いながらも李儒のアドバイスを受け入れますが、当の貂蝉がそこはうまく演技をして董卓の心をつなぎ留めます。
女の涙に弱いのは、いつの時代でも同じなのかもしれませんね。

貂蝉はもともと高貴な家の出だったのですが、実家が没落したため、王允が養父となって貂蝉を育てたのです。両親が董卓によって殺されたため、董卓に恨みをもっていたようです。
(貂蝉は歌妓と呼ばれる高位高官の屋敷に歌舞を持って仕える女性だという説もあります。)

:ちなみに正史『魏書』「呂布伝」には、「呂布が密通した董卓の侍女」という記述があるだけで、詳しいことは書かれていないようです。

計略は上手くいき、貂蝉が董卓の手に落ちたと知るや、呂布は董卓への嫉妬心を駆り立て、董卓への反抗心で怒りの炎を殺意に変えていきます。

計略はいよいよ最終段階に入ります。
現皇帝が董卓に帝位を譲る、つまり禅定するという話をして罠にはめ、油断したところを呂布が誅殺するのです。
やっと極悪者がいなくなった~!
めでたしめでたしと思ったら。
悲劇が起こります。
計略が成ったことを知った貂蝉は、自ら命を絶ってしまうのです。
(潔良さすぎ~!)

貂蝉が身を投げた池には、美しい大輪の睡蓮が咲いたといいます。
王允の計略、貂蝉の体を張った名演技
これがなければ董卓の横暴はまだまだ続き、民は苦しみ、英雄たちの勢力図も変わっていたでしょう。
絶世の美女貂蝉のなしたことは、英雄たちに負けないほどの功績であると評価したいと思います。
また、年寄りながら、権力者にたて突いた王允の正義感にも感服します。

結局、天下取りと美女を計りに掛けて、董卓は美女を選んでしまったのです。
あるいは、有能な人材と美女の選択を間違えたのです。
公私混同をすると身を亡ぼすことになるということです。
この事例は、仕事と異性問題野望と恋愛の問題が含まれています。

仕事と恋愛の両立や、何か大きな目標のために努力していることと、異性との関係を上手に調整することは、人類の永遠のテーマなのかもしれません。

ところで、いわゆる歴史上絶世の美女と呼ばれる女性がいますが、わたしとしては貂蝉がどれだけ美しかったのか、タイムスリップして見に行きたいです!
この気持ち、男性ならわかってもらえますよね!
でも、意外に女性も方も、貂蝉に美容法を教わりたいとかの理由で、逢ってみたいという人が多いかも。

【今回の教訓】

『気をつけるべきは異性問題。浮気は身の破滅と心得る』

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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