『究極のパワハラ』
【董卓の横暴(パワハラ)】
今回は、乱世のものすごいパワハラの話です。
長安に遷都した董卓に李儒という部下がいました。
李儒は自己保身のために董卓に皇帝の座についてくれと懇願します。
董卓は、その気になって調子にのって気分をよくします。
しかし、漢の臣下であり、心の底では董卓の横暴を憎んでいた張温という人物が密かに袁紹と密通していたことが判明し殺されてしまいます。
そこで恐ろしいことに、その張温の血を酒に混ぜて他の臣下たちに飲ませるのです。
(あ~、そんなの飲みたくね~)
董卓は疑い深いため、自分を裏切る者がまた出てこないよう、恐怖心を植え付けようとしたのです。
(人間のすることじゃねー!)
漢の臣下たちは、董卓に逆らえなくて、吐き気がするのを我慢して人の血が入った酒を飲むのです。
董卓に逆らえば張温と同じ運命になってしまうため、なにも言い返せなかったです。
【究極の選択】
今の時代だったらもちろん人殺しは重い罪で刑務所行き。
万が一、横暴な取引先とか上司が、酒になにか混ぜて(通常の飲み物に混入しないもの)それを飲めと言ったら、パワハラで訴えられてしまいます。
日本の戦国時代に織田信長が似たようなエピソードを起こしています。
義弟の浅井長政が朝倉義景と組んで裏切ったことを根に持ち、浅井朝倉連合軍を攻め滅ぼし、その二人のドクロを盃にして武将たちに酒を飲ませた故事です。
信長もそうですが、いかに強力な権力を持っていても、董卓のような横暴な人間は必ずその報いを受けることになります。(とうぜんだ~!!!)
人を殺してその血を酒に混ぜて飲ませるなんてことは異常者のすることで、現代ではとても考えられないですが、程度をぐっと落とせばパワハラまがいのことはまだまだ世の中にあるはずです。
世間に知られているパワハラの事例はほんの一例でしょう。
例えば、自社の運営や商品、上司のやり方を批判したら、左遷させられたとか、辞職に追い込むように巧妙に意地悪をするとか、もっと程度が低ければ、批判した者を出世競争から外すとか、査定で低い評価をするとか、そうしたことが起きているのが人間社会の実状でもあると思います。
異常者の言うことに黙って従って自己保存を図るか、たて突いて命を失うか。
究極の選択です。
【現代にもはびこるミニ董卓】
政治家が税金を増やしたり重くしたりすることはパワハラではないのでしょうか?
私には董卓のような権力者のパワハラとしか思えないのですが。
税金を増やすことより、支出を減らすことを優先するのが経営学の基本中の基本のはずです。それは国家経営も同じはずです。国民に負担を押し付ける権力者は必要でしょうか? 国民の生命と財産を守り、財布の中身を豊かにするのが権力者の仕事ではないかと思っています。
それと、権力者だけがパワハラをするとは限りません。
客であることをいいことに、店員や社員を困らせ、難癖をつける。
これなんかも立派なパワハラです。
しかし、自分は客なんだから当然だ、悪く無いと思っている人が多いように見受けられます。
(いい加減にしてほしいですよね!)
立場を利用して誰かを苦しめる。
それって『ミニ董卓』ですよと、言ってやりたい!
友である張温の血入りの酒を吐きながら飲まされた王允(漢の高官)は、自分は獣と同じになってしまったと嘆き悲しみます。そして、その胸の内にメラメラと復讐の決意が目覚めてくるのです。
王允はだいぶ齢をとったおじいちゃんなのですが、貂蝉という超美人の娘がいるのです。
この貂蝉という美女が三国志の英雄たちに負けないくらいの活躍をするのですが、その話はまた今度。
とにかく、権力を持ったものは自分のしていることがパワハラではないのか、客観的に自己評価する事が大切です。
部下に嫌われているようなら、もしかしたらパワハラをしているかもしれません。
その場合は、即刻止めましょう!!!
【今回の教訓】
「権力や立場を利用して、他人を苦しめる人は、反作用として人間性が鬼畜に近づく」
「悪業はいつか必ず悪果を招く」
最後までお読みいただき、ありがとうございました。