『周瑜死す』 今回は、負けを認める者が最終的に勝利を掴むという話をしたいと思います。今回が「荊州争奪編」の最終回です。 【曹操の謀略の糸】 劉備を取り逃がした周瑜は怒りを強くします。呂蒙が荊州を攻めようと主張しますが、周瑜は止めます。それは、劉備が荊州を留守にして結束が弱まったときに戦を仕掛けなかったのに、劉備が荊州に戻って結束が固まったいま戦を仕掛けることはあきらかに不利だからです。 戦のきっかけを逃した周瑜は荊州を奪還するために策を孫権に進言します。その策とは、 劉備を荊州牧に任じる...
本編4【荊州争奪編】の記事一覧
『心のイノベーション』 小さな勢力が発展するときの注意点。今回は劉備の呉脱出の際に起きた内部騒動の問題を取り上げてみます。 【劉備、呉から脱出】 徐南から荊州に戻ろうとする劉備に周瑜が差し向けた丁奉と徐盛の追手が追いつきます。それを孫夫人が二人の武将たちを一喝します。歴戦の武将である丁奉と徐盛も孫夫人の激しい怒りに戸惑います。なにしろ孫夫人は主君孫権の妹なのですから、臣下の身では抗えません。 ひとまず虎口を脱した劉備でしたが、周瑜が率いる兵が近づいてきます。そこで趙雲は孔明から授かった...
『享楽からの脱出』 みなさんは楽しい時間が永遠に続けばいいなと思ったことはありませんか?今回は楽しい時間を過ごしてきた劉備のその後を見ていきます。 【享楽の日々】 劉備は、若い新妻を娶り、美女たちの踊りを眺め、酒浸りの日々を送っていました。しかも、孫権から支給されている手当では足りぬと、金額の増額を要求する始末。劉備に仕えている孫乾は、そのあまりの変貌ぶりに驚きます。それは護衛の任について片時も劉備のそばから離れない趙雲とて同じ気持ちでした。 劉備が婚礼のために呉に来て早くも数ケ月の歳月...
『甘い誘惑』 前回は、政略結婚の続きについて話をしました。 今回は、劉備に迫る甘い誘惑の話してみたいと思います。 【劉備に迫る暗殺の危機】 劉備は甘露寺で花嫁の母(呉国太)と会い、みごとに心を掴みました。呉国太は、夫の孫堅、息子の孫策などの英雄たちを間近で見てきたので英雄を見抜く眼力が備わっていたのでしょう。 問題は、新婦の孫小妹です。母の呉国太は娘の小妹に笛と剣を渡します。小妹は柱の陰からばれないようにこっそりと劉備という男を見定めることにするのです。もし劉備を気に入ったときは笛...
『吉と出るか? 凶と出るか?(政略結婚)』 前回は、劉備に持ち上がった縁談について話をしました。今回は、政略結婚の続きを話してみたいと思います。 【孔明の3つの策、第一の策】 劉備は護衛の趙雲を伴って船を長江に進めました。向かうは孫権の待つ南徐。 劉備の身を案じた孔明は趙雲に三つの袋(策)を授けます。そしてこう指示します。 「この三つの袋には策が入っている。赤、黄、白の順に開けるのだ。船が呉に入ったら袋を開けその策に従え。次は年の瀬になっても呉に帰れぬときは二つ目の袋を開けて策に従...
『大局を見る人物と小事に囚われる人』 前回は、荊州を巡る交渉戦について話をしました。 今回は、劉備に持ち上がった縁談の話をしてみたいと思います。 【政略結婚】 苦しい言い訳をして荊州を返さない劉備に孫権と周瑜は憤慨します。そこで、周瑜は一計を思いつきます。それは夫人を無くしていた劉備に政略結婚の話を持ち掛けて、呉におびき出して亡き者にしようと企むのです。(陰険だな!)しかも劉備に嫁がせる相手が孫権の妹なのです。 魯粛から政略結婚の策を聞いた孫権は考えます。心配なのは劉備陣営が戦を仕掛...
『憎しみと尊敬』 前回は、長沙における関羽と黄忠との戦いについて話をしました。 今回は、荊州を巡る交渉戦の話をしてみたいと思います。 【魯粛、荊州返還交渉に失敗】 劉備は急ぎ駆けつけますが、すでに劉キは亡くなっていました。(劉キは、荊州刺史劉表の長男)劉キの存在は劉備にとって大きな意味がありました。劉キという人物は地味ですが、劉キがいなければ曹操が追撃してきたときに打ち取られていた可能性がありました。劉キは劉備に何度も援軍をだして劉備を助けています。劉備にとって劉キは年下の甥ですが、恩...
『義には義を。不忠には罰を』 今回は、長沙における関羽と黄忠との戦いについて話をしてみたいと思います。 【長沙攻略に関羽を選抜】 江南四郡のうち残るは武陵と長沙の二か所。武陵へは張飛を送り込みます。 江南四郡の最期は長沙。その長沙を最後にしたのは、馬良の進言に従ったからでもありますが、そこには理由があります。簡単に言ってしまうと、長沙は他の三郡と比べて落としにくいのです。ですから江南四郡攻略の要ともいう大事な場所なのです。 長沙へどの武将を送り出すかを検討した劉備と孔明は関羽を呼び戻...
『力で攻めずに心を攻める』 前回は、小さな勢力がいかにして拡大していくのかという話をしました。 今回は、零陵と桂陽攻略の話をしてみたいと思います。 【ケイ道栄の嘘】 劉備に許され釈放されたケイ道栄は零陵の城に戻りました。ケイ道栄は、孔明たちが予想したように寝返りの約束を破ります。主君の劉度を前にして、こともあろうに劉備の軍勢を見て武力で対抗するのではなく、知略で対抗するべきだと考え、わざと趙雲に捕まったと、平気で嘘をつきます。よく言いますよね~! ケイ道栄の嘘はさらに続きます。なんと...
『如何にして飛び立つのか』 前回は、領地を手にした劉備の話をしました。今回は、小さな勢力がいかにして拡大していくのかという話をしてみたいと思います。 【魯粛と孔明の舌戦】 魯粛(ろしゅく)は、荊州を劉備から取り戻すために荊州城にやってきました。魯粛いわく、 「そもそも曹操は劉備を亡き者にしようと大軍を率いて江南に攻め込んでした。その危機を救ったのはわが呉軍ある。従って荊州九郡は呉のもの。それなのに横取りするとはあまりに無道なやり方ではござらぬか」 いつもの穏やかな魯粛とは違って、はっきりと...
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