『赤壁大戦【後編】(打ち砕かれた野望)』 前回は、赤壁の戦いについての話をしました。今回は、赤壁の戦いの続きについての話をしてみたいと思います。 【曹操、知恵に溺れる】 華容道に進んできた曹操は分かれ道に出くわします。華容へ通じる間道をいけば近道ですが、道幅が狭く悪路です。反対の道幅が広い街道は遠回りとなります。そのとき間道の先から煙があがっているのが見えました。軍師の程昱などが、煙のある方向に敵軍が待ち構えているから街道を進もうといいますが、曹操はその反対をいいだします。なぜなら、わざ...
本編3【赤壁大戦編】の記事一覧
『赤壁大戦【前編】(打ち砕かれた野望)』 前回は、赤壁大戦前の騙し合いについての話をしました。今回は、赤壁の戦いについての話をしてみたいと思います。 【孔明の采配に意義を唱える関羽】 周瑜の殺意から逃れて劉備陣営に戻った孔明は、矢継ぎ早に武将たちに作戦指示を与えます。趙雲には、長江を渡り烏林からの間道に出て葦の茂みに潜み、落ち延びてきた曹操の軍勢の半ばをやり過ごしてから火攻めを掛けることを指示。張飛には、コ盧谷に兵を潜ませ、北へ向かう曹操軍が雨上がりに食事を取るはずだから、炊煙があがった...
『騙し合う英雄たち』 前回は、頭脳戦における軍師の力量についての話をしました。今回は、赤壁大戦前の騙し合いについての話をしてみたいと思います。 【曹操の騙し作戦(反間の計)】 蒋幹による周瑜引き込みの策が失敗し、逆に周瑜の計略によって水軍の武将蔡瑁を失った曹操は、また一計を企みます。蔡瑁の弟たち(従兄弟という説もある)である蔡中と蔡和(さいか)に偽りの投降をさせ、呉軍に潜り込み内情を探らせようとしました。 これは蔡瑁を殺したのは曹操ですから、弟である二人が曹操に恨みを持っているはずだと...
『軍師の力量』 前回は、大戦前の火花を散らす頭脳戦の話をしました。今回は、頭脳戦における軍師の力量についての話をしてみたいと思います。 【周瑜の兵法】 周瑜のもとに曹操の軍船が三江口に到着し北岸(烏林)に兵営を築いている報告が入ります。その報告を聴いて周瑜は自身で出陣すると言い出します。止めようとする魯粛に周瑜はその理由を説明します。 その訳は曹操軍の水軍の実力を把握するためです。曹操軍の軍船の多くは急遽建造されたばかりです。周瑜はその軍船を実際に見、水兵たちの力量、弓矢火器の使い方な...
『才能を蝕む害虫』 前回は、分裂の危機の中で孫権が決断する話をしました。今回は、大戦前の火花を散らす頭脳戦の話をしてみたいと思います。 【孔明、兄を説得する】 呉軍の決戦が決まったある日、孔明のところに兄の諸葛瑾(字 子瑜(しゆ))が訪れてきました。それはもちろん周瑜が裏で糸を引いているのです。 注) 江東と呼んでいた呼び方を今後は「呉」という言い方に変えます。 孔明には実の兄がいて、孫家に仕えていました。その兄が弟(孔明)を訪ねました。兄の諸葛瑾は久しぶりに会った弟と茶を飲みなが...
『いざ、決断!』 前回は、危機的状況の中でトップとその臣下がどう対処するのかという話をしました。 今回は、分裂の危機の中で孫権が決断する話をしてみたいと思います。 【孫家、分裂の危機】 孔明の挑発的な言葉によって孫権は曹操と交戦をすると告げました。その発言に降伏論の幕僚たちは蜂の巣を突いたように騒ぎ出します。それに対して交戦派は、負けじと徹底抗戦を主張します。江東の陣営はひび割れて壊れる寸前となっていました。 分裂の危機を迎えた江東陣営。悩む孫権。そこへ国母と呼ばれていた孫権の母(呉夫...
『戦うべきか? 降伏すべきか?』 前回は、長坂坡の戦いにおける趙雲の活躍と臣下を想う劉備の話をしました。今回は、危機的状況の中でトップとその臣下がどう対処するのかという話をしてみたいと思います。 【矛盾する命題への対処】 荊州を攻略した曹操が次に狙うのは当然のごとく長江(別名揚子江)の南、つまり江東(後の呉)であることは明白となっています。曹操にしてみれば、江東の孫権を降伏させれば、ほぼ天下を統一出来たといえる状態まできていたのです。そのことは江東を治める孫権やその臣下たちもよく自覚して...
『赤子の守護神と臣下想いの主君』 前回は、智謀の諸葛亮と仁義の劉備の話をしました。今回は、長坂坡の戦いにおける趙雲の活躍と臣下を想う劉備の話をしてみたいと思います。 【曹操、邪魔者を排除する】 襄陽を攻略した曹操は劉表の次男である劉ソウを荊州から追い出し、青州の刺史に無理やり命じて赴任させてしまいます。青州は中原から離れている地方に当たるので、これは明らかに左遷です。要は目障りな劉ソウを追っ払ったのです。しかし、それは口実にしか過ぎなくて、劉ソウが青州に向かっている途中で部下の干禁(うき...
『智謀と仁義が合わさったとき(諸葛亮と劉備)【後編】』 前回は、十万の曹操軍を軍師孔明が迎え撃った話をしました。 今回は、孔明の智謀と劉備の仁義の話をします。 【敗軍の将は敗戦に学ぶ】 十万の大軍を持って新野の劉備軍を攻めたにも関わらず大敗をした夏侯惇は曹操の前に自らの身を縄で縛った状態で晒します。曹操は、夏侯惇に敗戦の理由を聞きます。軍師孔明の火計にやられたと報告する夏侯惇は、敗戦の責任を取って斬られる覚悟をしていました。ですが意外なことを曹操は十万の大軍を失わせた夏侯惇を許します。「...
『智謀と仁義が合わさったとき(諸葛亮と劉備)【前編】』 前回は、孫家に起きた家督継承問題の話をしました。 今回は、智謀の諸葛亮と仁義の劉備が合わさったときという話をしてみたいと思います。 【曹操、新野の劉備を攻める】 諸葛亮と云えば智謀の才、劉備と云えば仁義の人。 劉備の「三顧の礼」によって諸葛亮を軍師に迎い入れたことで、二人はタッグを組むように活躍していくことになります。その始まりが「博望ハ」という場所で行われた戦いです。(博望ハの「ハ」がワードで表示されないためカタカナ表記とします)...
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