『曹操の憂鬱』 今回は、曹操の三つの憂いについて話をします。 【劉備の男気が輝きだす】 曹操は、劉備を野に解き放ったことの間違いに気がつき、張遼と許ちょ(仲康)を派遣して劉備を連れ戻そうとします。劉備は、献帝の曹操に対する密約を胸に秘めていますから、簡単に「はい、そうですか」とは言いません。劉備は、張遼たちに、こう言い放ちます。 「将、外にあっては君命受けざるところあり」 つまり、命を受けて一度戦場に赴いた将軍は、戦場から遠く離れた君主の指示に従わなくてもよい。戦場の状況は千変万化するので現場...