『才能を蝕む害虫』 前回は、分裂の危機の中で孫権が決断する話をしました。今回は、大戦前の火花を散らす頭脳戦の話をしてみたいと思います。 【孔明、兄を説得する】 呉軍の決戦が決まったある日、孔明のところに兄の諸葛瑾(字 子瑜(しゆ))が訪れてきました。それはもちろん周瑜が裏で糸を引いているのです。 注) 江東と呼んでいた呼び方を今後は「呉」という言い方に変えます。 孔明には実の兄がいて、孫家に仕えていました。その兄が弟(孔明)を訪ねました。兄の諸葛瑾は久しぶりに会った弟と茶を飲みなが...