今回が曹操伝の最終回です。 【曹操が目指した理想の政治とは】 《寛治と猛政》 後漢時代の政治は官僚たちへの刑罰が有名無実化していた。これを「寛治」という。寛治とは、緩やかな統治という意味で、要するにあまり重い刑罰を止めましょう、という政治です。後漢王朝末期には、皇帝に実質的な権力は無く、各地の豪族たちがおのおの統治する地域において実質的な権力を発揮していた。 曹操は漢の実権を握ると法律に基づく徹底的な厳しい統治「猛政」を布きます。これは曹操が若いときに理想とした人物である橋玄(きょうげん)の影...