
『劉備、蜀を取る』 前回は、忠義な男の生き様の話をしました。今回は、成都陥落の話をしてみたいと思います。 【劉璋、宿敵張魯を頼る】 ラク城を落した劉備は勢いに乗り、成都と目と鼻の先の綿竹関を攻め取ります。それを知った劉璋は焦ります。この危機的状況を打開するために黄権がある提案をします。それは宿敵である漢中の張魯に加勢を求めるということです。 もともと蜀の劉璋と漢中の張魯とは長年いがみ合ってきました。その宿敵とでもいう相手に加勢を求めるとは一見突飛もない考えです。しかし、劉璋としてはこの策...