『呂布の最期』 今回は、出処進退を誤った呂布の最期についてお話します。 【曹操、呂布を説得?】 曹操軍に攻め込まれた呂布は下ひ城に立て籠ります。そこで曹操は、城壁から見下ろす呂布に話を持ち掛けます。 「わしにとって天下で唯一恐ろしいのは呂布殿しかいない。わしはおぬしに畏敬の念を抱いておる」「わしらが手を結べば必ず天下を取れる。盟約を結ぼう」 と、言うのです。曹操はさらに、 「そなたに兵馬の大権を与えよう。大都督としよう」「わしらふたりは兄弟の契りを結ぼうではないか」 と、うまい話を持ち掛けます...
本編1【群雄割拠編】の記事一覧
『己の実力を知る』 今回は、呂布と陳宮という二人の人物の自己認識の誤りについてお話します。 【虎退治、曹操と劉備が手を組む】 袁術を破った曹操には、どうしても解決しておきたいことがありました。それは呂布という大きな虎を退治する事でした。徐州を奪われた劉備とてそれは同じこと。二人は呂布という虎を退治するために手を組みます。 曹操から劉備に当てた密書が呂布の部下に見つかります。実はこれは曹操が仕組んだ策略だったのです。 ここで陳珪、陳登の親子が登場します。二人は漢王室に忠義を尽くそうとする人物で、...
『リーダーの冷酷な判断』 今回は、曹操の冷酷な判断について論じます。 【三国志に、もうひとつ国家があった?】 三国志といえば、三つの国が乱立した時代と思っているでしょう。三つの国が建国されたのは三国志の後半ですが、実は前半において別の王朝(国)が一時期ではありますが存在していたのです。ただし、その王朝の正当性はありません。勝手に皇帝を名乗っただけ。勝手に国家と主張しただけです。 三国志といえば、曹操(曹仁)の『魏』、孫権の『呉』、劉備の『蜀漢』ということは、ほとんどの方が知っていることでしょ...
『無二の親友』 今回は、孫策の活躍と周瑜という親友についての話をします。 【孫策、父孫堅の志を継ぐ】 「江東の虎」と恐れられていた父孫堅が死んでから、息子の孫策は父孫堅の志を引き継ぎ、孫一門の再興を考えていました。しかし、父孫堅以来の武将たちは孫策のもとから引き離されて袁術の配下となっていたのです。もともと父孫堅は袁術の指揮下に入っていたからです。袁術は欲深い男でしたが、袁紹よりも人物を見抜く力は多少あったのかなと思います。 『正史孫策伝』には袁術がため息まじりに語った言葉が記録されています。...
『部下を叱る』 今回は、張飛の失態と劉備の対処についての話をします。 【二虎競食の計】 曹操は天子を擁し天下に号令できる権力を手にしましたが、内心恐れる存在がありました。それは徐州にいる劉備です。もちろん徐州を手に入れたいとも思っていました。しかし、徐州には豪傑呂布がいます。その呂布が劉備と手を組んで立ち向かってくるとなると、やっかいなことになります。 そこで参謀の荀彧が策を授けるのです。 「二虎競食の計」 策はこうです。劉備に対して、正式に徐州の太守に任じるからその代わりに呂布を打てと密書を...
『三国志のターニングポイント』 今回は、三国志のターニングポイントについての話をします。 【曹操の迂回作戦】 話は少し戻りますが、曹操は自分の地盤であるえん州を呂布から取り戻そうと徐州から引き上げるときのことです。参謀の荀彧の進言に従って、東の陳国へ向かいました。 えっ、なぜかって? 本当ですね。なんで自分の領地奪還に直接向かわなかったのか?それは、いつの時代でも戦争では兵糧(補給)が続かなくては兵力を維持することはできないからです。曹操は兵糧に困っていたのです。そこで策士荀彧が知恵を巡らすの...
『徳の香り』 今回は、人を惹きつける徳の香りの話をします。 【劉備、徐州を得る】 曹操に駆逐された呂布は軍師をしていた陳宮の意見に従って徐州に避難します。しかし、徐州を収めていた太守陶謙は、劉備に徐州の太守になってくれと懇願します。劉備は、それを断ります。(謙虚といえば謙虚だけど、謙虚すぎないかな~!) 弟分の関羽、張飛は「兄貴はひとが良すぎる」と、あきれます。(まぁ~その気持ちはわかります。)遠慮深いというか、信義に厚いというか、そうとう人が良すぎますね。でも、そこが劉備の魅力です。 陶謙...
『曹操は親孝行息子』 今回は、曹操と劉備の初対決の様子をお話します。 【曹操の親孝行が仇になる】 曹操は、優れた人材と強大な兵力を得て、えん州の広大な所領を支配していました。そこで曹操は、離れて暮らす父親たち親族を呼び寄せて親孝行をしようと思い立ちます。(曹操が親孝行なんて、似合わないような気もしますが・・・) 曹操の願いに応えた父曹嵩は、一家老幼を引き連れて、曹操のもとへ向かいました。途中、徐州という地を通るのですが、そこで事件が起きます。徐州の太守(日本でいうと江戸時代の藩主のような立場)...
『将の器』 今回は、組織を率いる将の器を考えます。 【王允の三日天下】 董卓亡き後、王允が漢王朝の実権を握ることとなります。王允には陳宮という人物が参謀役として仕えていました。その陳宮が董卓軍の残党(西涼軍)を許して投降させてはどうかと提案します。陳宮は「一時の義憤は忘れて、大局から判断してください」と進言しますが、王允は董卓への恨み心が激しく、董卓の部下たちや西涼軍を打ち倒すことしか考えていませんでした。 しかし、逆に董卓の残党は都長安に攻め入ります。呂布が兵を率いて応戦しますが、長安は陥落...
『絶世の美女貂蝉』 【絶世の美女は生贄?】 今回は、英雄顔負けの活躍をした絶世の美女の話です。 三国志の中でも最強の猛将呂布という男がいます。強欲な権力者董卓の義理の息子となっていた人物です。武勇の誉れ高い呂布が護衛についているのですから、董卓を暗殺しようとしても暗殺することが出来ません。そこで王允は、計略を考えます。 王允の計略とはこうです。貂蝉を間にはさんで、董卓と呂布をひとつの環にして結んで反目(仲たがい)させる。最初に呂布を屋敷に招いて、呂布を貂蝉の虜にさせておいて、貂蝉を嫁にくれてや...
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