【曹操の存在意義】 曹操は、小説『三国志演義』では悪役で「三絶のなかの奸絶(奸のきわみ)」とされる。「三絶」(絶は“極み”の意)とは、「義絶」の関羽、「智絶」の諸葛亮、「奸絶」の曹操のこと。だが、崩れ行く漢王朝末期に曹操という人物が存在したことは、その後の中国にとっては欠かすことのできない功績を残したといえる。 《曹操が後世に残したもの》 〈律令制度の原型〉 曹丕が漢王朝最後の皇帝(献帝)から禅譲を受け、魏王朝を開き、その魏が司馬氏の「晋」にとって代わられ、その後約370年の分裂を経て、隋唐王...